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サロマ湖100kmマラソンに参加した岡島謙二さん |
私にとっては、過去、フルマラソンを含め、たくさんのレースに出ましたが、今回の私の体調は、今までにないぐらいの最悪の状態でした。
そのときのことを書かせていただきます。
一言で言うならば、「睡眠不足」でした。
マラソン前日の予定はというと・・・
■6月27日(土曜日)
13:00発 ANA1795便にて関空を旅立つ |
15:05着 女満別空港に到着 |
17:00着 受付会場 湧別町総合体育館「アリーナ」 |
19:00着 宿泊施設 鶴雅リゾート |
これを見てもらってもわかるように、移動、移動、また移動と移動の嵐。およそ飛行機2時間。バス4時間。大会会場およびホテルに行くだけでこの移動。自宅から関空までの電車の時間を入れると更にプラス1.5時間。まさに移動日といっても過言ではない土曜日でした。
この移動日の中で、特に印象に残ったのが大会会場の横断幕です。
『サロマ湖の100kmはドラマだ』
私自身、どうにかしなくてはいけないと思い、あまりにも寝つきが悪かったため、お酒を手にしてしまいました。北海道ということで富良野ワインを飲み、再度また寝る努力をしました。おかげさまで、1時間半ほどまた休息を取ることができました。
■6月28日(日曜日) ウルトラマラソンレース当日のスケジュール
2:00 起床 食事&着替えを済ます |
3:05 ホテルを出発 |
4:00 大会会場に到着 |
5:00 レーススタート |
ここから、およそ制限時間13時間の戦いが始まりました。
スタート前には、太平サブロー氏(過去4回出場 中2回完走)のコメントを聞いたあたりから一気に私のやる気に火がつき始めました。
そして、いよいよレーススタート!
今回のレース、私は最後方からスタートを切りました。ペースとしては、キロ6分半ぐらいで走っていましたが(私としてはかなり遅い時間です。参考までに、最近の練習はキロ4分から4分半)、実際のところ体の調子は非常に悪く、自分で言うのもなんですが、どうしようもない状態でした。かろうじて、42.195キロまで走り終わったとき、どこまでこの状態で行くのか?そして、いつ復調するのか?こんな不安な気持ちいっぱいで走り続けておりました。
私の状態は、一向に上がらず、レストステーション55キロ(グランティアサロマ湖)に到着した頃、私の気持ち(心)は、完全に折れていました。何事にも前向きに考える思考の持ち主なのですが、過去の記憶にないぐらい精神的に弱気になってしまいました。タイムは、キロ6分から6分半前後を推移し、予定通り、全く問題ないタイムで到着したのですが、肉体と精神は疲れはてていました。体に襲ってくる痛み、痛みとの戦いだったかと思います。この55キロまで、早い人について、ずっと引っ張ってもらっていたのですが、その人に離された瞬間、急激にスピードが落ち苦しみました。気力でついていかないと最終的にゴールはできない。これからやってくる関門を突破できない。この55キロ時点で負けない気持ちの大事さを認識しました。
レストステーションにて、18分ほど休憩し、勇気を振り絞ってコース場に復帰しました。
その後、同じ失敗を2度としないために(気持ちを折らないよう)、心の部分だけをケアし、次のレストステーション75キロ地点(鶴雅リゾート)を目指しました。休息し食べ物を補給した結果、体は意外に動くようになり、前方を走る速いランナーをターゲットにし、今度こそは置いて行かれないようについていく。という強い信念を持ち、走り続けました。その結果、75キロ地点では、かなりタイム的に余裕ができていました。
75キロの休憩地点では、およそ、15分休憩し、おしるこをすすりながら、氷で足のありとあらゆるところを冷やしました。ピクニックシートをひろげて休憩し足を冷やしている時に、テレビ局のクルーの目にとまり、5分ほどのインタビューを受けました。
75キロ地点から100キロ地点までは、残り25キロ。制限時間4時間を残していたので、まずゴールは間違いない。その安堵感からか、残りの距離は半分歩き、半分走るといったスピードでした。この時点で、走り始めてから9時間近くになり、ほとほと疲れていました。
その後、ワッカ原生公園を走りながら、歩いている人と談笑(励ましあい)しながらゴールを目指しました。実際ゴールを見たときは、ゴールして嬉しい!!というよりは、やりとげた感からか、気が抜けた瞬間、大粒の涙が出ました。それほどの練習を重ねて、このレースに備えてきたからだと思います。
100キロレースを走っての感想ですが、そこには夢があり、フルマラソンでは味わえない感動がありました。以前の私ですと、これは実力、自分の力で。と答えていたと思います。ですが、今回私が完走できたのは、たくさんの方々のサポート、応援があったからこそできたものだと思っております。又、今回のレースを経験し、人間として大きく成長させられたと思っております。是非、皆様も一度ご参加されてはいかがでしょう? そのレースには想像を絶する感動がありますので。
岡島謙二