10代の脳

gpc1605

10代の脳

2016_05_1思春期の頃から表れる反抗期。みなさんはどう対応していますか?
上手にやり過ごす親御さんもいれば、手に負えない悩みを抱えている親御さんもいっらしゃいます。
お子様の性格もよりますがその対応は千差万別。いつかは通り過ぎるこの時期も子供の将来を思うと心配になってしまいますね。
思春期の脳には科学的に何が起こっているのでしょうか。

 

2016_05_2以前は、脳の成長は幼稚園に入る頃のはほぼ完成されると言われていました。その影響からか、早期教育に熱心に取り組むようになり幼少期から熱心に教育する時代になっています。
10代の脳が研究されるようになったのは、ここ10年ほどのことです。10代の脳は、大人の脳とは違いまだ未完成です。未完成だからこそ不安定な時期なのです。

 

反抗期はホルモンの影響も

2016_05_3思春期あたりから性ホルモンの影響で大人の体に変化していきます。
性ホルモンは感情をコントロールする大脳辺緑縁系で特に働いています。10代の感情が不安定なのはそれが原因と言われています。
この頃の性ホルモンの分泌量は若い成人に比べて多いわけではないのですが、10代は大人に比べてストレスにも弱く、ストレスによって不調に陥りやすいのです。

同じ生活環境の中で大人よりストレスを受けやすい原因の一つが、THPというホルモンにあることが最近の研究によって報告されました。
THP(テトラヒドロ・ブレグネロン)はストレスを受けると放出され、不安を抑えます。しかし、青年期には逆に、不安を増幅させる結果になることがマウスを用いた実験で明らかになりました。
また、ストレスが多い状況に直面するとTHPとは別の ストレスホルモンを放出します。それを受け てアドレナリンが放出されるのですが、大人であれば戦闘体勢、準備万端 な状態ですが、10代は前頭葉(思考や 理性を支配する司令塔)と他の部分 のつながりが不十分なので、抑制がきき にくく、外的刺激に対して過剰に反応 してしまいます。

※思春期(性的な成熟が明らかになる期間)青年期(11歳から20歳までの時期)

 

アドレナリンに次ぐ、ストレスホルモンのコルチゾールも思春期の感情を不安定にしています。
青年期中期から後期には、コルチゾールの値が平均的な大人よりやや高いことがわかっています。
ストレスは感情や思考の内的な要因からも、環境などの外的な要因からも受けることがあります。

昔と違って、インターネットやテレビからの情報量も多くなり、SNSも使いこなす子どもたち。外的要因のストレスから遠ざけるのも至難の業でしょう。
しかし、ストレスは記憶力、思考力の柔軟性をなくします。成長だけでなく、学習面でも大敵なのです。ストレスの要因は出来るだけなくしていきましょう。

⇒思春期の対処方
2016_05_4親がストレスの原因にならないようにする。
(親に小言を言われると思考が停止するという研究報告があります。)
子どもを信頼する。プライバシーを尊重し、1人の人間として認めてあげる。
子どもの行動を詮索せずに見守るいつかは終わると余裕をもつ。